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急用につき。



 申し訳ありませんが、一時更新停止します。
 再開は六日を予定しておりますが、進捗状況により七日にずれ込む可能性もありますので、平にご容赦を。
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使イ古シタ道具トカノ美シサ



 お月様が肌の凸凹を取るパックをしていた。人前に見せる姿じゃないように思えたけれど、息の長い彼女にとっては一晩のことなんてどうでも良いのかも。
 翌日、すっかり凸凹がなくなって綺麗なお月様が出ていたら、神様の奴お月様をヒョイと捕まえて、ピンボールの玉にしてしまった。
 それで夜通し僕らピンボールで遊んだし、ノッカーが鳴るほど習熟したプレイヤーばかりだったから。
 さらに翌日のお月様はすっかり元通りと言うわけさ。

神ヲ乗セテ快走



 ゴーカート乗り場で神様が順番待ちしていたから、僕はお手製のゴーカートでコースに割り込んだ。
 もちろんエンジン付きだから、男の子達が歓声をあげて、女の子達が悲鳴をあげてた。
 しばらく見せびらかせていたところ、指をくわえて僕を見てた神様が、突然僕を蹴り落として、虹を作るとそれに乗っかってどこかに行ってしまった。

使イ走リ



 エコバッグを提げたネズミ達が、スーパーマーケットの前でうろうろしていた。
 それをギロリと睨み付けている警備員。
 僕はなんだかネズミ達がかわいそうになって、必要なものを聞いて、代わりに買ってきてあげた。
 ネズミ達はボロボロな紙幣を僕に渡して、頭を一つ下げて去っていった。エコバッグをズリズリ引いて。
 それで僕は汚れた紙幣を口元に当てて、これで何を買おうかしらんって。

先ニ凍ル



 ムペンバ効果を必死になって詳しい人が解明しようとしていた。
 それで意見を求められて、僕はこう答えたんだ。
「カンカンに怒ってる人と冷静な人を冷凍庫にぶち込んだ場合、多分先に体温を失ってしまうのは怒ってる方だと思うから、そう言うことじゃないのかい?」
 それで詳しい人はブツブツなにがしかを呟きながら、水を怒らせる研究を始めたのである。

君ノ犬



 手首から先がポトリと落ちてしまって、これじゃあいけない、あの娘と手を繋ぐことも出来なくなってしまった。
 仕方がないから手錠を二人繋いだけれど、引っ掛かりもなくて、僕の方だけスルリ落ちてしまうから、いつの間にやら僕と言えば首輪を繋がれていた。

漂エル物



 クレバスからニョキッと腕が生えている。ギョッとしてクレバスを窺ったけれども、腕の持ち主はどうやらクレバスのようで。
 手袋も着けないで寒いだろうに、流れ星をギュッと掴んだまま、放そうともしない。
 流れ星の奴、捕まれたままで幸せそうには見えなかったから、クレバスの腕をつねって流れ星を放させた。
 弱った流れ星を僕の部屋に連れ帰って、とりあえず水槽に浮かべておいた。
 それでそんなことがあったことをすっかり忘れて、久方ぶりに水槽を見ると、まるで幸せそうには見えない流れ星がひとつ。

黒ノ絵



 世界が色をなくして、全部全部真っ黒に。
 僕はその中で絵の具を探して、世界に塗ったくった。
 絵の具も真っ黒だったけど、絵ぐらい描けるさ。

神様ノ色



 僕の好きなもの、煙草はもちろん茶色。白い紙に収まってるけど。
 お酒も僕はウイスキーが良くて、これも茶色。透明なグラスの中で。
 エンジニアブーツも、僕が選んだのは茶色だった。
 その他、ギター、コーヒー、ライダース、ウォレット、コルクボード、テーブル、彼女の肌、手に入る好きなものはいずれも茶色だ。
 だから神様もきっと茶色い肌をしている。じゃないと捕まえられないから。

雨風ダケ防ゲレバ



 僕の部屋には何にもなくて、招かれた友人はすぐに暇をもて余す。
 僕には寝るだけの場所だからそれでも良いけど、客人にそういうわけには行かないから。
 床板剥がしたり、柱を削ったり、電線の皮膜を脱がせたりして、皆で楽器を作るんだ。
 お手製の楽器で即興の演奏は、剥がした床板からこちらを窺うネズミを相手にするだけさ。

汚レタ心



 何か汚れたまるまるしたものを見付けて、指で摘まんで放り投げた。
 それでソファーに持たれたのだけれど、よくよく考えてみれば今捨ててしまったのは僕の心に違いなかった。
 慌てて外に飛び出たけど、僕を笑うように清掃車が走り去ってくところだった。

全テ曝シテ



 もちろん構わない。君に僕の全部をあげるさ。
 身体も精神も、生命も魂も。名前だって君に贈ろう。
 盗んだお星様も、お月様をただぼぉっと見ている時間も、お日様に炙られながらする日向ぼっこの心地よさも。全部、全部。
 でも、僕の全部って何なんだろう。僕の生まれたこの星も、僕の好きなお酒も、僕の跨る単車も、僕のものだったり、そうじゃなかったり。でも僕を象っているものだったりして。
 あぁ、もちろん構わない。君に僕の、それら全部をあげるさ。

無機質ノ暖カサ



 手のひらの上にある星空を、ギュッと握った。
 大きな星を一つ作って、虹色の花を添えて。
 それを少女にプレゼント。
 お礼に笑顔を一つ貰って、それでその少女が可憐な宝石になってしまったけど。
 胸に星と花をギュッと抱いてくれてるから。

小サナ彩リ



 生まれてこの方、この街では青空を見たことがない。
 いつも灰色がかった雲が浮いていて、陰鬱な気分にさせて。
 もちろん色々旅した僕だから、その間に青空が広がっていたなんてことも、あるのだろうけれど。
 僕は、それでもこの街は好きだったけれど。
 足の動かなくて、いつもベッドの上で窓の外をじっと眺めてる彼女はさ。変わらぬ灰色の街を見て、溜め息を吐き出してんだろ。
 肌寒いこの街では、溜め息はいつも白いから、そんなものが霧にでもなってしまったら、何て考えたりする。
 僕は何十年か前に、思い出の場所に埋めたタイムカプセルを掘り出して、ブリキとかソフビとかそんな色とりどりの玩具と、タンポポ、スミレ、ボタンにスズランと沈丁花を添えて彼女の窓の前にそっと置いておいた。
 願わくば、小さな男の子が君に恋したと考えてくれたら、そんなに素敵なことはないと、顎髭をさすりながら僕は立ち去った。これから二十年後のためのタイムカプセルを埋めなくちゃ。

初メテ往ク所



 アンドリュー・クロスの多孔性石の中に生まれた僕が、とうとう死んで。
 ダンカン・マクドゥーガルに21gを貰って意気揚々と口笛を吹きながら歩いていた夜。
 あの世への道すがら草花を踏みしめる僕の足音が、余りに軽いその足音が、僕の友人達を起こしてしまった。
 餞別に頂いたのはお酒と、冬にだけ咲く花をいくつか。それと数滴の、でも大粒の涙。
 試験管の中に生まれた僕だから、天国の神様には、神をも恐れぬと嫌われてしまうだろうから、賄賂もいくつか必要だろって。どうにか友人連中に笑顔で送り出して貰ったから。
 僕は唯一人で葬送曲を口笛で。さも楽しげに。あたかも愉しげに。

誂ワレル神様



 顔見知りの神様が、顔中に抱き締められた跡を残していた。
 僕ら悪党は大真面目な顔して集っては。
「誰ぞ悪いことをする奴がいるものだ。我々の神様を一体なんだと思っているのか。」
「やい神様、大丈夫だぞ。きっと僕たちが見付け出して片をつけてくるから。」
 赤い顔して放っておいて欲しそうな神様を取り囲んで、酒を旨く飲む算段をしている。
プロフィール

調子

Author:調子
男。178cm、57kg。昭和六十年生まれ。
喫煙者、飲酒家、博打打ち。ろくでなし。
好きな風呂は檜風呂。
愛車は1985年製のSR500。
けれども俺はヒノキ花粉症。おのれひのきめ、いつの日か必ずや檜風呂にしてケツに敷いてくれる。そろそろここに書くネタがないや。
著作権は特に主張したりとかは、ないです、短いからかぶってそうなこともありそうだし、何よりそんな暇があれば、次のを書く。もちろん侵害する気もないのではからずも盗作になっていた場合には対処します。
拍手コメントの返信は土曜日に一括でやらせて頂きます。ご了承ください。

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