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即興ノ太陽



 ビッグバンドが出撃準備を終えて、太陽を目掛けて飛び立っていく。
 スチールドラムとコンガがリズムを刻んで、正確に時を告げて。
 ウッドベースとジャズピアノが影を落として。
 エレキギターとピアノ、アルトサックスが光り輝く音を降り注いで。
 とうとう太陽のところに辿り着いたビッグバンド。太陽を蹴飛ばして太陽の代わりに空の真ん中に居座った。
 僕らは拍手喝采で迎え入れて、代わりに地上に降りてきた太陽と夜毎に飲み比べ。
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町長ノ仕事



 町長に会うのにアポイントメントは要らない。日が暮れた頃の酒場に行けば、ほら、カウンターで一人飲んでる。
「やぁ町長、僕の差し入れどうだった?」
「やっぱりお前か、お茶だと思ったら目が飛び出るような酒じゃないか。」
「美味かったろ?手間がかかったんだ。」
「堂々と密造を告白するなよ。」
「んで、議会はどうなった?」
「俺を目の敵にしているタカ派の議員と議会そっちのけで、ドンパチが始まっちまったよ。」
「あぁ、彼お酒に弱かったのか。これからは気をつけるよ。」
「あっちもお前の仕業か。それはそうとお前、前の選挙一体誰に投票した?」
「僕だよ?」
「そうか。議会に参加したいなら立候補してからにしてくれ。」
「えぇ?でも僕、聞いたぜ?結構な人数が僕に投票したって。」
「あぁその通りだよくそったれ。その上、無記名投票だってのにどいつもこいつも名前を書いて、その上トイレットペーパーが切れたからあの時名前を書いた紙を返してくれだとよ。」
「えっ?あれ返してくれるのかい?じゃあ早く返してくれよ。」
「返すかバカ。立候補してりゃ今頃お前は町長だってのが全くこの街は。」
「政治なんてのは気が向いた時にフラっと立ち寄ってフラっと参加してフラっと帰ればもの凄く平和じゃないか。」
「コレだからこの街は。あっ、そういえばお前、空から星を幾つか盗んでないか?世界中から疑われてるんだよ。」
「あぁ、五つばかり盗んだ。婚約指輪にはめ込んでプレゼントした。」
「…どこの誰に?」
「昨日、花屋の娘に。」
「九歳だったよな?」
「うん。だから十年後に結婚してくれって。」
「何唾つけてんだ。」
「手を出す訳には行かないからね。」
「全部その指輪に?」
「いんや?先週、やっぱり婚約指輪にしたかな。」
「そいつは誰に?」
「百歳を迎えた素敵なおばあちゃんに。町長、表彰してなかったかい?」
「…今週死ななかったか?」
「残念だよ。式の日取りも決まってたのに。棺の中の彼女にした口づけが最初で最後だ。あぁ、指輪なら棺の中だよ。どうぞ町長、墓暴きは素敵な仕事だね?」
「…あぁ任せろ。ついでにお前の墓穴も掘っといてやる。」
「手間が省けて助かるなぁ。」
「この街全員分も何なら掘っとくべきかもな。どいつもこいつも悪党ばかりだ。」
「たまには捕まってあげてるじゃないか。」
「野良の警察官にな。アイツいつまで野良なんだ。現行犯逮捕がないこの街じゃ、アイツも一緒にブタ箱入りで、悪党と一緒に酒飲んでやがる。」
「そういえば何で現行犯逮捕がないんだい?」
「賞金だの表彰目当てにどいつもこいつも隣人を捕まえちゃ連れてきやがる。その翌日には自分が捕まるオチまで付いて。」
「ハハッ、有り得そうだ。謝礼があるなら僕だって友人連中捕まえるよ。」
「…ところで今日の支払いはどうするつもりだ?」
「もちろん手持ちはないけれど、まぁ見てな。レジを見てみろ。ほらあった、僕の名前入りの硬貨。」
「どいつもこいつもこの街の連中は硬貨に自分の名前を刻みやがって。」
「僕の場合は名前じゃないけれどね。おいマスター、こいつは僕の金だぜ?よくも盗んでくれやがったな。今日の払いでオアイコと行こうぜ。」
「お前が前に払った金じゃないのか?」
「ありえないね。ここで支払いを済ませたことなんて一度もないもの。」
「店主もそれでオーケーって親指立てやがって。」
「それじゃ僕は行くよ。まぁ町長頑張れよ。素敵な街を維持しておくれ。」
「改善点ばかりで仕事にヤル気が出るわな。」
 とまぁ、毎日毎日お酒に逃げては疲れた表情の町長だけれど、この街を改革しようと必死ではあるらしいよ。この前も街の照明を全部ネオンサインからつまらない蛍光灯に変えてた。翌日には全部ミラーボールになってたけれどね。

徒労ニ尽キ



 お月様が顔だけ出しているのに、とうとう好奇心を抑えられなくなった僕ら悪党は。
 小洒落た黒い服を全部剥ぎ取って、綺麗な裸体でも拝もうと夜空にファスナーかボタンかなにか無いかと毎夜探している。
 ついに見付け出したボタンを開けると、早速夜空を脱がしにかかった。
 でも夜を全て剥ぎ取った頃には、すっかり夜も開けて、青空が差し込んでいたし。
 嘆息してうなだれた僕らの背中に面した通り、仕事明けのお月様があくびしながら歩いていった。

仕事ヲ教エタ



 壊れて動くなくなった振り子時計を、派手に花で飾ったんだ。
 日の当たる時間だけ花が咲いて、日の動きに合わせて花弁の開き方の変わるから、大体の時間が分かったりしてしまって。
 でも正確じゃあ無いよね、って花に言ったら、歯車だの振り子だの、蔦で包んで動かし始めたから、三十分ごとにボオンと時を告げる花の出来上がり。
 壊れた振り子時計のやつが笑ってた。

萎えた週末でした。



 土曜日の午前、夜勤明け。
 友人にそこら中に荷物を持ちながら行かないかんので軽トラ出してくれと言われ、ふたつ返事で引き受けまして。
 西へ東へ、北へ南…南は行ってないな。ともかく県外県内県外県内と、愛知のど真ん中から岐阜だの静岡だのと一日中運転してまして、流石に疲れて友人宅で寝ることに。もう夜といって差し支えのない時間でしたしね。
 ソファーを片してしまったというので、ベッドを貸してくれたのですが、友人も寝るというので、仕方なく野郎二人でシングルベッドで睡眠。
 そこまではまぁ、良くある話ではないですけど、稀にはある話で。
 起きてからが萎える地獄でござんした。
 早朝に音に反応して目覚めまして、最初に感じたのは右手のしびれ、視界に飛び込んできましたのは俺の右腕を枕に眠っている友人。何勝手に腕枕にしてんだコイツ、と思いながら視界を上に向けると友人の彼女がすごい形相で俺達を見てまして。合鍵を使って入ってきた様子。
「何やってんの?」
 と。
 えっ、いや、違う。そんなんじゃない。とか言い訳したんですが。
「調子くん男でも行けるとか言ってたよね?」
「いや、それ違うじゃないですか。姿形が完全に女性のニューハーフならもしかしたらって話だったじゃあないですか。コイツめちゃくちゃ男じゃないですか無理です違います誤解ですごめんなさい。」
 とまぁ、友人ともども正座させられた上、ひたすらに説教だかなんだか。
 いやぁ、友人の彼女に友人との浮気疑惑で泣かれるとか、もう、ね。いやまぁ、きっと俺が悪いんです。彼女持ちの友人と褥を共にすべきではないんです。当たり前か。
 ひたすらに萎えて帰宅したらもう寝なきゃまずい時間でいっこ前の記事となったわけであります。
 んで今と言えば土曜日の荷物おろしては、軽トラの狭い座席での運転を延々繰り返したおかげで、すっかり腰痛です。元々職業病で軽い腰痛は常にあるのですが、今日は、ひどい。

 拍手返信。


懐ノ暖カサ
 深夜、外で働いていると暖かければ何でも良くなり、こんな話に。


 そういえば土曜日の日暮れ頃、友人と銭湯に行った時の話。あぁ、これから下記内容は下ネタかも知れません。ご注意を。
 俺はまぁボクサーパンツを着用しているのですが、友人に相変わらずお前ぴっちりしたの履いてんなぁと言われ。
 お前そりゃ睾丸捻転を一度でも起こしたら二度とあんな痛みを覚えたくはねぇよ、と。
 読んで字のごとく睾丸がぐるりと回転してしまう病気なのだそうで、二十四時間ほっとくと睾丸切除となるのだそうですが、あんな痛みの中二十四時間も放って置けるか、というのは経験者の談。
 んで病院に駆け込んで治りはしたのですが、後遺症が出まして、睾丸に繋がる静脈の弁が弱まるか何かして、睾丸に血が溜まるという症状に。
 睾丸を打った時の痛みの引いていきながらも痛い状態が延々続いている状態で、ストレスがすごいのですが、とお医者様に言ったところ。
「あぁ、それ女の人の重い月の物みたいな状態だよ。」
 と言われて、へぇ、と。
 こんなものを女性の方々は毎月経験しているのか、と思うと女性には頭があがらないなぁ、と。
「逆に言うと睾丸打った時の痛みは重い月の物の立てなくなる状態なんだよ。」
 とも言われましたが、しょっちゅう打つもんでもねぇよ。と。
 そんな話を友人に言う度に、もうモロッコに行く前準備は出来てるな、と言われるのですが、俺は一体どうしたらいいのでしょうね。

急用でした。



 もう寝とかないと仕事に影響出るので、拍手返信とかはまた明日でお願いします。
 ストックも書けてないので明日も足穂党はお休みします、すみません。
 予告なしで休んだのは初めてかしら。まぁ、頑張ります。

余分ハ要ラナイ



 段ボール箱から夢を取り出して、組み立てていく。
 出来上がった夢。小さくて、小さくて。ちょっとだけ綺麗で。
 キュッと握りしめたら、とても安心したから。
 僕は、こんなもんでいいや。余った夢の部品はオークションにでもかけることにした。

火照リ顔



 僕と僕の友人がいつものように酒場で管を巻いていると。
 とてもとても幼いと言って良いような、新しい星がやって来て、僕らの横のカウンター席に座ると。
「ミルク。」
 だなんて。
 僕と僕の友人は、それだけでもう酔いが覚めてしまって。
「粉ミルクはあったか?」
「あぁ、あったはずだよ。哺乳瓶は覚えがないけれども。」
 軽口を叩き合う。新しい星はむっとしたようだけれど、僕らに取り合わずミルクを待っている。
 僕と僕の友人は、やいのやいのと囃し立てる。
「良いか坊主。この街じゃあ飲み物なんてのは、火をつけたら天国までぶっ飛んでくアルコールのことなんだぜ?」
「もちろんミルクだってあるさ。カルーアと前に着く奴ならね。あぁ、こいつはごめんよ。カルーアのことだったのか。」
 ケラケラ笑いながら新しい星をからかっていると、とうとう新しい星、堪忍袋の緒が切れたと見え。
 僕らの目の前の、僕の友人に曰く、火をつけたら天国までぶっ飛んでくアルコールを一気に飲み干して、ドラム缶で出てきたミルクを一気に飲み干すと、その中に大量のアルコールを注いで帰って行ってしまった。
 それからしばらく僕と僕の友人は飲み明かしていたけれど、銭もなくなったし帰ろうかって外に出たところ。
 平時のような白い星がひとつも見当たらず、真っ赤な星ばかりが浮いていた。

皆ガ孤児



 悪党ばかりのこの街なのに、パン屋も八百屋も魚屋も肉屋も、店先の商品を並べているのは。
 路地裏から食べ物をじっと見つめて、指先を加えたみなし児を見て。僕と僕の友人は苦笑い。
 みなし児に向け笑顔を一つ、まぁ見てなって。
 さぁ行こうぜ相棒、まずはパン屋の硬くなったパンを右手でひっつかみ、早速口に加えて、八百屋の野菜を懐に突っ込んだら、まだまだ行けるぜ、魚屋の鱗も取ってない雑魚を左手でポケットに突っ込んだら、肉屋の安物の燻製を両手に盗って。
 そら見ろ店主共が追っかけてきやがった。やれ逃げろやれ逃げろ。
 そうしてみなし児にウインク一つ。僕らを必死に追い駈ける天周を尻目に恐る恐る食材を手に取るみなし児達。コレでやり方はもう分かったろ。
 店主たちだって分かってやってるのさ、コイツらもこの街の生まれ。みんなみぃんなみなし児だから。

楽々ト転落



 人生と言う名の階段を、踏み外して転がり始めたのはいつのことだったかも分からないけれど。
 スリリングでなかなかにコレが楽しい。
 転落仲間の流れ星とは、いつもどっちが速いか競ってる。
 転落するばかりの僕の人生だけれども、落ちるさまはキラキラ輝いて、誰かの慰みになっているかな。

失ッタ愛



 耳の中に恋人を住まわせて、鼓膜のすぐそばで愛の囁きを聞いていた。
 愛ばかりが溢れた音が、僕の口から見知らぬ女性に発せられるのは致し方ないことだとも思うのだけれど。
 ともかく僕は鼓膜を失った。

近付ク彼方



 それほど遠からず、僕の背中に翼が生えるだろう。
 オプションの頭の上の輪っかとか、角とか尻尾とか、全部断ってすこぶる速い翼にしよう。
 成層圏でインメルマンターンとか決めながら、二人で何処か行きたいね。

何処カニ忘レル



 僕の勤めてるところの業務内容は、世界中の落とし物を管理してるところ。
 本日、誰も彼もが落としては、そのまま受け取りに来ないことの多いものを探しに来た人がいる。
 幸い日時と場所がはっきりしていたからすぐに見つかって、ついでに前の時代のその落とし物もプレゼント。
 その落とし物の名前は正義と言うのだけれど、君は落としたりしてないかい?

天罰ガ一発



 お星様の寝ているところに爆竹投げ込んで、てんやわんやの流れ星を楽しんだ次の日。
 老人が荷物をまとめて逃げる準備をしているのを見た。
「くわばらくわばら。嵐が来やる。流れ星の嵐が来やる。」
 僕は、鼻で笑って老人を見送った。
 その日の夜の事、老人の言うとおり流れ星が大挙してやって来て。
 その勢いたるや嵐もかくや。
 僕の身体を持ち上げては、大いに高空へ連れてきては、手放して。
 真っ逆さまの僕をも一度持ち上げては、高空から落としてを繰り返し。
 最初こそ肝を冷やしたけれど、なんだか楽しくなってきて、余裕の笑顔で今度抱きかかえられたら、もっと高空がいいなぁ、等と思っているのだけれど、あれ、おかしいな、そろそろ地面に、ぶつかる――。

月ノ偽造



 とんだ悪人もいたもので、つまり僕のことなのだけれど。
 空に浮いてるお月様を、硬貨の縁を削るみたいにして、毎日毎日少しずつ少しずつお月様を削っていって。
 溜まったお月様の削り滓を、バーナーですっかり溶かしてお月様を象った型に注いだ。
 冷えて固まった小さなお月様。偽物だけれど本物のコイツ。
 海にもお月様が必要だろうから、海の野郎に売っぱらった。

泥棒カラ盗ム



 僕と僕の友人が、折り重なって倒れている。
 夜中、盗みに入ろうとした所、突然お月様が強く輝いて、脳みそが驚いて、揺らされて、まるで立っていられなくなってしまったから。
 なんにも見えない視界の中、僕らの服が漁られている気配がしていて、抵抗なんてまるで出来ずに、何かを盗られた気配。
 去りゆく背中をやっとこ回復した視界で見れば、お月様が僕らの財布を持ってった。
プロフィール

調子

Author:調子
男。178cm、57kg。昭和六十年生まれ。
喫煙者、飲酒家、博打打ち。ろくでなし。
好きな風呂は檜風呂。
愛車は1985年製のSR500。
けれども俺はヒノキ花粉症。おのれひのきめ、いつの日か必ずや檜風呂にしてケツに敷いてくれる。そろそろここに書くネタがないや。
著作権は特に主張したりとかは、ないです、短いからかぶってそうなこともありそうだし、何よりそんな暇があれば、次のを書く。もちろん侵害する気もないのではからずも盗作になっていた場合には対処します。
拍手コメントの返信は土曜日に一括でやらせて頂きます。ご了承ください。

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