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時間取れないので。



 一言だけ。

 良いお年を!
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決死ノ求婚



 酒と煙草の置いてある店の看板娘にとうとう顔を覚えられて、何か言うまでもなく入り用の品が出てくる。
 甘い煙草と辛い酒、それとイカサマ付きのトランプ。あとお月様みたいな、仄かに暖かな笑顔。
 こんな僕だけれど、今度彼女にプロポーズしようかと思っている。
 と、相談したら。お月様くすりともせず、満月をさっさと店仕舞いしてしまった。

甘エガ過ギタ



 寂しさが埋まらなくて、誰かに助けてもらいたくて。
 深夜の交差点。目隠しして、猿ぐつわをはめて、手足を縛って、自分を放置した。
 ピクリとも動けないまま、どれぐらい時間が経ったかも分からない。
 クラクションはとっくの昔になった気がする。排気ガスは顔にかかりっぱなし。
 やっと解放してもらえたのだけれど、僕は空に浮いていて、夜空を彩る仲間と一緒だった。

余程ノ恥知ラズ



 街路樹がすっかり葉を落としていた。
 それを見た人が、往来で素っ裸だなんて破廉恥だと順番に服を着せていった。
 世も更けた頃に僕らゾロゾロ現れて、服を盗んで、落ちてた葉っぱに火をつけ芋を焼いてた。

小サナ餞別



 蟻のいそいそ働き出ることのなくなってしまった、元蟻の巣がある。
 何かあわれを感じて、ピンセットで砂を一粒ずつ取り除いて、中を覗いた。
 何もないばかりの穴を掘り進め、ついにその最奥を見つけると、働き蟻と雄蟻が仲睦まじく二匹きりで寄り添っていた。
 彼らは繁殖もできないのに幸せそうだったから、角砂糖一つ置いて、穴を元に戻しておいた。

ソウイウノハ立派ナ大人ノ仕事



 転んだ少女が、身体を地面に打ち付ける前に、僕がなんとか抱き止めると。
 背中から少年の声がかかってきた。妹を離せってさ。
 そうなったら僕、少女を人質に少年に無茶な要求するしかないじゃないか。
 かかって来いよ少年。正義の味方になるのは今だぜって。
 もちろん僕は全力で少年に立ちはだかるんだ。手加減なんてしてやらないよ。
 少年の間違いを正すだなんて、つまらないもの。

水ノ銀



 金目のものを探して、目を見開いて歩き続けてたら。
 僕の目ン玉すっかり乾いてしまって、目が痛い。
 仕方がないから、蒸しタオルを目に被せたら、出るわ出るわ涙腺に溜まった皮脂の塊のとろけた奴が。
 すっかり落ち着くまでそれを繰り返して、やっと外したタオルの目ン玉との接触面、金目のものを目に写しすぎてたからか、金と銀の涙がこびりついてた。

キット回転シテ飛ビ出ルカラ



 猟師たちが鉄砲を持って練り歩くから、鳥たちはさえずるのをやめたって。
 だから僕は深い森の中、大樹のくぼみに身体をくるませて、大声で歌う。
 四方八方から飛び込んでくる弾丸が、大樹に受け止められたのを確認して、僕はその銃弾を引っこ抜いた。
 コイツを溶かして作る鉛のベーゴマが、一番良く回るんだ。

紅玉ハ与エナイ



 僕の物語にふりがなが付いたりしないのは、きっとrubyだからだろう。
 勿体無くて、勿体無くて、おまけにも付けられやしない。

要ラヌ世話



 お月様がやおらに微睡んでいる白昼のこと。
 お月様がその白い光を全身に蓄えながら、日向ぼっこをしている所へ。
 僕はいそいそ這い寄って、風邪を引かないようにと毛布をかけた。
 当然その日の月夜は、満月のはずなのに、頭の先しか光っていない、そんなものだった。

冬ダカラソノ内枯レル



 おみくじを引いたら、頭上に注意ってさ。
 流れ星でも落ちてくるのかしらんって、空を見上げながら多少は気を配っていたのだけれど。
 ある日、気付けば僕の頭の上に花が咲いていた。
 いや、こう言うんじゃないだろう。これはなんか違うだろう。と思ったのだけれど、待ち合わせに便利だから、まぁ、いいか。

恐竜ノ瞳



 小さな頃から琥珀色をした瞳に憧れていた。
 片目を神様に貸してあげたら、返しもしないで海外旅行に行ったらしい。
 ちょうど良いやと片目に琥珀の義眼を入れた。
 義眼の中に異物感があって、どうやら琥珀の中に蚊が閉じ込められてたらしい。
 きっと恐竜の血を吸った奴だと思うのだけれど。
 どうにも見るものすべてが美味しそうで困る。

不遜ナ僕



 とうとう創造主とやらの存在が確認されたってさ。
 科学者たちは喜び勇んでた、僕たちは創造主を創った奴を捕まえる旅に出た。
 だって捕まえたら、僕も創造主にしてくれるかもよ?今の奴よりうまくやる自信があるね。

失ウ物ガ何処ニ



 盗んじゃいけないものなんて、一体どれくらいあるんだろ。
 持ち主が変わったって、どうせこの世界から動きはしない。
 壊れたって、腐ったって、なくなったりなんかしやしない。
 だったら取り返しの付かないものなんて、心ぐらいじゃないか。
 そんな移ろいやすいもの、僕には興味がないし。
 だから僕は、彼女の心なんていらないよ。

拠リ所



 目覚めると、大工が僕の口から片足ひっこ抜いてるところだった。
「朝早くにこんなところでどうしたんだい?」
 僕が聞くと。
「お前の心の中に住み着いてる、悪魔の奴に頼まれて、ここには長くなりそうだから、家を建ててくれだとさ。」
 大工の言葉に僕は納得、今度お邪魔させてもらおうかな。

月ミタイナ唇



 乾燥してひび割れた僕の唇に、お月様の雫を垂らしたリップクリームを塗る。
 もちろん薬用成分なんて入っちゃいない。
 何が起こるかって?
 お月様の満ち欠けに合わせて、僕の口も満ち欠けるんだ。
プロフィール

調子

Author:調子
男。178cm、57kg。昭和六十年生まれ。
喫煙者、飲酒家、博打打ち。ろくでなし。
好きな風呂は檜風呂。
愛車は1985年製のSR500。
けれども俺はヒノキ花粉症。おのれひのきめ、いつの日か必ずや檜風呂にしてケツに敷いてくれる。そろそろここに書くネタがないや。
著作権は特に主張したりとかは、ないです、短いからかぶってそうなこともありそうだし、何よりそんな暇があれば、次のを書く。もちろん侵害する気もないのではからずも盗作になっていた場合には対処します。
拍手コメントの返信は土曜日に一括でやらせて頂きます。ご了承ください。

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