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釣ッタ星



 水溜まりに垂らした釣糸、毛針に食いついた寄り添う二つの星。
 二つの星、睦言を釣り上げられても続けるものだから、辟易として水溜まりに戻したのだけれど。
 夜空から安堵の溜息が漏れて、なるほどやはり、夜空を追い出されてきたらしいと、僕は納得。
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涙ノ星



 悲しいことを見続けた、僕の目玉がとうとう、涙に溶けて落ちてしまった。
 僕の友人がそれを集めて固めて、白と黒に輝く星にしたのらしいのだけれども、目玉がないから僕には見えない。

全テノ悪ハ許サレル為ニ在ルト言ウ噂



 僕の友人が、とうとうその悪事が故に、顔を隠した人に、今まさに断罪されようとしている。
 善良な人々が、顔を隠して吐いた言葉は、胸を抉って、心を晒し、肺腑に刺さって、返す言葉も作れない。
 僕は慌てて周りの悪党どもに、早く彼を助けだそうと言ったんだ。
 善良な人々だって、脛に小さな傷、入っているはずで。
 僕らのような悪党どもは、確かに罰せられるべきなのだけれど。
 許されたって、いいじゃないか。
 これから始まる、お月様を使った逃亡劇は、万人にとって、痛快なものになるだろうしね。

狙イ定メテ



 神様が言うには、天国に翼を生やした所、天国の奴、勝手気ままに空を舞うものだから。
 生きとし生けるものは、見定めることが出来ないから、天国を目指せなくなって。
 天使の群れも、天国のアクロバット飛行にやられて、帰ることも出来なくなったらしい。
 だから僕、天国行きのミサイルを作っているのだけれど。

青ト赤



 僕には正しい置き場所があって、お月様の連れていってくれた、海と空の境界の上。
 交わる海と空の青が、僕に向かって溢れ出してきて。
 そこから見上げたお月様、真っ赤に輝き、落ち着かない。

星ヲ修理



 お星様のナットをフレアナットレンチで締め直している。
 すっかり油が抜けて、梨地になったブレーキが夜空にゴオゴオ鳴り響くから。

善悪ヲ一ツズツ



 いつまでも朝焼けのまま、日の出の様子のない山道。
 僕が緑深く立派な杉の木の並び立つ山間を眺めていると、ひときわ大きな杉の木に光輝くものが引っ掛かっていた。太陽だった。
 何とか太陽、空に戻してやると、彼、大急ぎで空をかけていった。
 ちょろまかした黒点を何に使ったものかはこれからの楽しみである。

暖カイ食事



 神様が何かを焼いていた。
 フライパンの中を見てみると、狐色にこんがり焼けた僕がいた。
 神様に勧められるまま、美味しそうな僕を食べてみた。
 何か、大事なものを取り戻した気がする。

宝石ト変ワラヌ価値ガ



 百や二百ではすまない物語を詰め込んだ、僕の首から上を切り取って。
 宝石箱に、友人に貰った小さなランドセル、お日様に貰った古い時計、お月様に貰ったヴァイオリンの弓、お星様に貰った輝きの途絶えない白熱灯を、慎重に美しく飾り付けて。
 切り取った僕の首から上を、そっと置いたら。
 蓋を閉じて、大事にしまった。

大事ナ人



 笑うしかできない水曜日。
 僕の大事な彼女が泣いている。
 女の子に降られたってさ。
 神様の横っ面、殴り付けた。
 大事に育てた花瓶に石を、投げつけた。
 それでも僕は、笑うしかできない。
 双子みたいに寄り添う星二つ、彼女を慰める歌、歌っている。
 それでも僕は。

悪戯ノ太陽



 少し猫背の僕が、平坦な道を歩いている。
 しっかり伸びた背筋の神様が、僕を追い越して、平坦な道を行く。
 突然、平坦な道が盛り上がり、傾斜がグンときつくなった。
「やい神様。突然何をするんだ。」
 僕は当然、神様に向かって怒り出した。
「わしのせいじゃない!」
 見れば、前方を行く神様も、すっかり慌てふためいて、地面に手を付いている。
 周りを見渡すと、そこかしこで坂や段差がグングン伸びていて。
「ははーん、なるほど、コレはどうやら太陽の奴の仕業だな。」
 肌に突き刺さる日光は、平時のそれより深かったから。僕と神様は雲を集めて大きな傘にした。
 しかし、ようやく入道雲の傘を作り終えた頃には、平坦な道がグングン育つ事変はすっかり収まっていた。
 僕と神様、肩をすくめて入道雲を散らしたのだけれど、やにわに日光強くなり、あとは察しのとおりである。

胸ノ暖カサ



 僕がフラスコの中の、アルコールの海を漂っていた頃のこと。
 お月様は、お日様の居ない真っ暗闇な空で、呑気に流れ星とキスをしていた。
 僕はたゆたいながら、彼等に言った、お日様に言いつけてやるって。
 彼女と彼は、真っ青な顔して、青白い空に溶けていった。
 僕がアルコールに溶け出し始めて、お日様が東の空から昇って来た。
 僕は宣言通りにお日様に言いつけた。
 お日様はそれがショックだったらしい、俺だけがこの空の中で孤独なんだって。
 僕は、フラスコの中、孤独だよ、こっちに来るかい?そっちに行こうか?どっちが良い?と聞いたんだ。
 お日様は、仕事を投げ出す訳にはいかないと、悩む様子ではあったけれど、とうとう耐えられず、太陽を空において、フラスコの中に飛び込んできた。
 フラスコの中のアルコール、たちまちお日様に払いのけられてしまって、僕の溶け出した胸の穴ぐら、お日様がスッポリはまったものだから、僕と僕の友人の出来上がり。

舞踏ノ響キ



 じっとアナログ盤の回転を見ている。
 音は、無い。
 オンボロ市で買ってきた、名もないアルバム、ただただ回るだけ。
 僕はじっと見ている。
 一列に並んだ神様の群れがやって来て、アナログ盤を取り囲むと、ご機嫌なダンスを踊り始めた。
 一体どんな音楽がなっているのか。神様たち、ただただ踊っている。
 僕はじっと見ている。
 そこそこ崇高な神様がやって来て、神様の群れの中に入っていく。
 そこでの踊りを止めてくれるのかと思ったのだけれど、そこそこ崇高な神様も踊り出した。
 そこはもう地獄の釜を開けたような、陽気極まるところを知らない神様の群れ。
 僕はそっと目を閉じた。
 眠りに入る、その前に、聞こえてきたのは、今まで誰も聞いたことのないような、最も古いジャンルのロックンロール。

遠イ未来ニ繋グ



 涙がうろついている、所在無さげに。
 流されるだけ流されて、掬い取られることもなかったかららしい。
 僕と僕の友人は、彼らを集めて禿山に連れていった。
 何とも幸せそうな名前の木を植えて、彼らを仲良く住まわせた。
 いつかの話、ここから流れ出す川は、きっと少ししょっぱいのだろう。

森モ都会モ緑ナラバ



 蛍光灯のグリーンの光は、つまり植物の逆であって、酸素を使って体の外に緑を光らせているのだと、詳しい人がもっともらしく言っている。
 だから都会は息苦しいのだと。植物の代わりに街灯を生やしているから。
 ならばと僕は、蛍光灯をすべて猫の目玉に変えてみたのだけれど、猫の目玉がグリーンに輝き始めたから、僕らどんなに環境を変えたって、グリーンからは逃げられないらしい。

泡立ツ紫



 太陽と虹が溶け合う空の交差点。
 そこで僕は僕の友人と、ジンジャーエールを飲み交わしていた。
 空き瓶に虹の濃い紫を詰め込んで、鳥たちに跨がり、青白い空を駆けていると瓶の口から紫がトポトポ零れて、濃い紫色が、空を染めてしまった。
 シュワシュワと泡立ちながら、空の紫、星々を溺れさせている。
プロフィール

調子

Author:調子
男。178cm、57kg。昭和六十年生まれ。
喫煙者、飲酒家、博打打ち。ろくでなし。
好きな風呂は檜風呂。
愛車は1985年製のSR500。
けれども俺はヒノキ花粉症。おのれひのきめ、いつの日か必ずや檜風呂にしてケツに敷いてくれる。そろそろここに書くネタがないや。
著作権は特に主張したりとかは、ないです、短いからかぶってそうなこともありそうだし、何よりそんな暇があれば、次のを書く。もちろん侵害する気もないのではからずも盗作になっていた場合には対処します。
拍手コメントの返信は土曜日に一括でやらせて頂きます。ご了承ください。

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