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異星ト通信



 僕の携帯に電話がかかってきたので、もちろん出たのだけれど。
 電話相手、僕と分かると友人連中でたらい回しをしているようで、一語一語に声の音が変わる。
「やぁ。」「きみ。」「相も。」「変わらず。」「地べたで。」「楽しく。」「やってる。」「様だね。」
 はて、一つも聞き覚えのない声。
「うん、まぁ、楽しくやっているよ。」
 その返事に、ケラケラケラケラ、笑い声。
 見れば、満天の星空、上下に揺れていた。
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空ヲ舞ウ回転木馬



 メリーゴーランドに一匹だけ、老いたロバがいた。
 僕は両手を広げて、話しかける。
「なぁ、そろそろ自由が欲しいだろう?翼をあげる、ロバじゃ天馬にはなれなくても、自由にはなれるだろう?」
 そう言ってロバ、手渡された翼を持って、メリーゴーランドの天蓋に翼をつけたから。
 ロバ、メリーゴーランドの仲間と一緒に、空でクルクル、よろしくやっていた。

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願イノ雨



 願いを空高く届けてくれる、そんな星船が、あって。
 僕もそれに願いを載せようとしたのだけれど、もう満杯だと断られたから。
 低い空を飛んでいる星船、見事撃ち落とした。
 僕の隣で神様が、飛び散った願いを、一つずつ、嬉しそうに読んでいる。

死ヌ死ヌ詐欺



 明日、命を絶つことを決め、ともかく布団に入っていると。
 枕元、ご先祖様が枚挙して相談している。
 ともかく、盗み聞きしていると、どうやらせっかく繋げてきた血脈を、絶たれることが頭に来ているらしい。
 その癖、妙に理解があって、命を絶つことそのものは認めてくれているらしい。
 しかし認めはしても、溜飲下げられるものではないから、最も苦痛を伴うものの他は、決して許さぬと、そう結論づいたらしい。
 あれ?もしかしてコレ、ご先祖様たちどんな些細な苦痛でも、守ってくれるとそういう訳か?
 そう思い、神経虚弱のふりをして、死ぬふりをしていたら、ご先祖様達、駆けつけてくれる。

蝕バム月



 月に相談を受けた。
「今度、太陽の奴を、食べるのだけれど。」
「うん。」
「何か良い食べ方知らないかしら?」
「バターソテーなんて、どうかな?」
「悪くはないけれど。」
「活造りにしてみようか?」
「新鮮で美味しそう、でも私ワサビが苦手なの。」
「じゃあ、踊り食いしかないんじゃないかな?」
「やっぱり、それしかないかしら。」
 月、空に帰ってゆく。心なしか、そわそわしながら。

日ノ昇ル道



 僕、暇に飽かせて、西の地平線をチョークでふちどっていた。
 夜が明ける頃、お天道様の奴、白んだ空と勘違いして、西から昇って来やがったから。
 僕、腹を抱えて大笑い。

矛盾ト争ウ



 僕の友人が、大枚はたいて、かの矛と盾を買ってきた。
 どんな盾をも貫く矛と、どんな矛をも防ぐ盾。
 互いに争わせるようなことは、決してしないから、最強の兵士に俺はなったと豪語している。
 僕は、無尽の剣と盾を用意。彼と決闘。
 彼の矛、確かに僕の盾など歯牙にもかけず、貫き貫き。百を数えた所で矛先まで盾で詰まった。
 彼の矛、確かに僕の剣では傷一つつかない、防ぎ防ぎ。百を数えた所で盾で覆えぬ剣を通した。
 勝負には勝ったが、試合には負けた。
 つまりは、その盾だらけの矛で横殴りされて、僕、すっかり意識を失ったから。

傘ニ食ワレタ



 蛇の目傘に蛇の皮をあしらった。
 蛇の眼がギョロリと睨みつけるようで、誰も近付いて来ない。
 その様子に僕はクスクス笑ってた。
 閉じる段になって、ふざけて僕の体、半分ほど覆うようにしてみたところ。
 ぱくり、むぐむぐ、ごくん。
 あ、食われた。

花火ヲ一服



 僕、煙草を切らして、代わりに爆竹を吸っていた。
 爆音夜空に轟いて、ゆっくり出来たものじゃあない。
 喫煙仲間の蛍も寄って、来やしない。
 どうしたものか、吐き出した煙まで爆ぜていた。
 そんな事を思い出すから、たまに爆竹、吸いたくなったり、する。

心身ノ別離



 耳鳴りがしている。
 僕の頭の中で、蝶番がキコキコと、開いたり、閉じたりしているような。
 バタン。僕、扉の閉まる音、口に出した。
 耳鳴りが止んだと同時、一瞬の浮遊感。
 どうやら僕の身体、僕の心から閉めだされた様子。
 心の奴、どうしたら僕を迎え入れてくれるだろうかと、思案をしているところ。

夜空ノ一変



 星空と月が、何やら相談をしていた。
 どんな相談をしているのか、僕には聞き取れなかったが、とにかく互いに頷きあっていた。
 翌日の事、太陽が仕事を終えると、僕の頭上、一面の月。
 西の頭上に、僅かにぽっかり星空が空いていた。

切ッテモ切ッテモ



 神様が頭がガンガンすると言う。僕は、「僕が気になるのは、その伸びすぎた髪が原因じゃないかと思う。」と言う。
 神様、僕に散髪を頼んだので、僕、ガンガン梳き鋏を入れていく。
 しかしながら尚気になるのは、どれだけ散髪をし続けても、神様の髪の毛、切った先から伸びていくこと。

爆走者ノ天国



 パワーステアリングも、パワーウインドウも、もちろんエアコンディショナーだって付いていない、昔ながらの僕の車。
 トランジスタラジオから、ご機嫌なロックンロールを流しながら、僕、滑走路をひた走っていたのだけれど。
 スピードメーターが100を表示し、キンコンカンコン鳴り始めた途端に、僕の車、寿命を迎えて。
 そのまま天国へ、僕を載せたまま旅立った。
 仕方ないから、どこまでも続く天国の長い道を、時速200でかっ飛ばしている。

幸セノ銃口



 大通りから逸れた脇道の、さらにその路地裏を我楽多通りと、地元の人間は呼んでいる。
 そこは犠牲者天国で。
 空から引きずり降ろされた、客引きのお月様がたおやかな声で通行人を呼んでいる。
 一列に並べられたお星様を、右から左へピストルで撃っているヒットマンは、コンペイトウを売る商人で。
 片手からお酒を手放せぬ神様たちが、注文取りのお天道様の腰のくびれから目を離せずにいた。
 僕はそこで、花の種を銃弾に出来る機関銃を買っていた。
 そこへ機械仕掛けの僕の友人が通りがかったので、丁度いいと買ったばかりの機関銃、どどどどと試し撃ち。
 友人は驚いたのと、銃弾の衝撃で、大きく跳ね飛ばされてった。

 後のある日、友人が花を咲かせて帰ってきた。
 勝手にゼンマイを巻いてくれるから、具合が良いと僕に感謝をしてきたのだけれど、ついでに恨みも晴らされて、気付けば僕の身体にも花が咲いていた。
 それからというもの、暖かい光の中、ベンチに根を降ろして、ぼんやりと空を眺める時間が、とても幸せなものになってしまった。

百貨店ニテ神様ヲ



 ショーウィンドウに、神様が並べられている。
 キラキラ飾られて、星空をまとっているようだ。
 僕、一番落ち着いた輝きの神様を、買っていったのだけれど。
 家に着く頃には、レジ袋から神様居なくなっていて。
 果たしてこれは、騙されたのか、転げ落ちたのか、逃げ出したのかと、判別がつかない。

蒸留酒ノ機嫌



 夜に深くもたれて、ウイスキー、喉に流し込んでいると。
 カランと氷のなった瞬間に、もくもく立ち昇るものがあって。
 何だろうと眺めていると、白い靄のようなものが、からからと笑っている。
 僕が身構えると、白い靄、窓から僕を投げ出した。
 背中をしたたかに打って、急いで自室に戻ってみると。
 グラスの中のウイスキー、ボトルの中に戻っていた。
プロフィール

調子

Author:調子
男。178cm、57kg。昭和六十年生まれ。
喫煙者、飲酒家、博打打ち。ろくでなし。
好きな風呂は檜風呂。
愛車は1985年製のSR500。
けれども俺はヒノキ花粉症。おのれひのきめ、いつの日か必ずや檜風呂にしてケツに敷いてくれる。そろそろここに書くネタがないや。
著作権は特に主張したりとかは、ないです、短いからかぶってそうなこともありそうだし、何よりそんな暇があれば、次のを書く。もちろん侵害する気もないのではからずも盗作になっていた場合には対処します。
拍手コメントの返信は土曜日に一括でやらせて頂きます。ご了承ください。

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