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何カノ終ワリ



 我楽多の王は声帯を失った。

 もう物語は書けない、描けない、詠えない。

 所詮、全てはガラクタだったのだ。所詮、僕は我楽多だったのだ。
 がらくたになってしまったのだ。
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深イ眠リ



 人間と言う奴はどこかで帳尻が合うように出来ているようで、あまりに眠れない僕はいつも星空を見つめては、眩しすぎると文句を言っていたのだけれど。
 旅に暮らす中、行き先もわからず立ち尽くしていると、眩しい星がもう少しばかり眩くなって、ふらふらとそちらに向かって歩いていけば。
 葉っぱの上にチョコリと乗った夜露の美しい森があって、その最奥で夜露の中にゆっくりと入って行くと、信じられないほどよく眠れたり、した。

幾度ノ謝罪



 僕の娘は何度も生まれ変わる女の子。
 娘からは女の子しか生まれなくて、そして娘は死ぬのだそうだ。
 彼女の母親のように。
 そして自らの娘に生まれ変わる。歯抜けの記憶と共に。

 僕の娘がやっと言葉が達者になって紡いだ言葉。
「ごめんなさい、あなた。」
 だなんて、悪い冗談にも程がある。娘の祖父もそのまた祖父も、そうして娘から逃げ出したらしい。
 だから僕も。
「最初の言葉がそれか。バカ娘。親父を舐めてもらっては困るなぁ。」
 などと、泣き笑うばかりである。

月ガ住居



 ガラリ、僕の部屋の押し入れの開く音。
 慌てて振り向けば身なりのきちんとした紳士の居た。
 彼は僕に一礼をすると、玄関から僕の革靴を盗んでステッキを回しながらどこかに行ってしまった。
 夜空を見上げるとお月様のクレーターが一つなかった。

オ揃イノ指輪



 彼より大分年上の、美人と評判の彼女が困ってた。
 古い約束の大事な思い出、玩具の指輪を無くしたから。
 それで彼は必死に探し回って、泥まみれ土まみれでやっと見つけた。
 何処にでもありそうな、安っぽい玩具の指輪。
 彼は彼女になにか小さなプライドみたいなものを、認められたくて。あと笑顔が見たくて彼女に指輪を渡したんだ。
 彼の幼い恋心にも気付かずに、彼女、ありがとうって。
 それで喜ぶ彼を見て、そんなもので喜ぶ彼を見て。
 小さな愚かな嫉妬と共に、彼の探してた場所に指輪を落としたことに間違いはなかったと微笑んだ。
 こんな落ちぶれた僕だけれど、さあて今から彼女の無くした指輪を探そうか。僕の無くした片割れの指輪を。
プロフィール

調子

Author:調子
男。178cm、57kg。昭和六十年生まれ。
喫煙者、飲酒家、博打打ち。ろくでなし。
好きな風呂は檜風呂。
愛車は1985年製のSR500。
けれども俺はヒノキ花粉症。おのれひのきめ、いつの日か必ずや檜風呂にしてケツに敷いてくれる。そろそろここに書くネタがないや。
著作権は特に主張したりとかは、ないです、短いからかぶってそうなこともありそうだし、何よりそんな暇があれば、次のを書く。もちろん侵害する気もないのではからずも盗作になっていた場合には対処します。
拍手コメントの返信は土曜日に一括でやらせて頂きます。ご了承ください。

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